Message from the President
代表挨拶
~夢を現(うつつ)に、想いを像(かたち)に~
わたしたちが支払う税金は、どのような仕組みで集められ使われているのでしょうか。公共サービスはどのように決められて供給されているのでしょうか。公務員はどのように仕事をしているのでしょうか。そして肥大化しつつ、同時に狭い専門に細分化している官僚機構は、市民がどのようにコントロールできるのでしょうか。こうした行政の諸問題について市民とともに考え、解決策を提案する新しいタイプの研究所です。
行政はわたしたちの生活に深く関わっています。そのため行政を知ることは、社会生活の常識を身につけることでもあります。身近な問題の多くは、行政の活動と密接に関連しています。だから、自分が住んでいるまちの課題を解こうとすると、おのずから行政を科学的に分析する視点を身に付けることになります。問題を解決する能力をきたえながら、行政についての基礎知識や方法論をともに学べます。行政の現状と改革の方向を解明していくことが、この研究所の基礎となる業務目的です。
今、都市は新たな挑戦の時代を迎えています。人口減少や自治体消滅の予兆のなか、生き残りをかけた激しい都市間競争、地方分権にともなう行財政改革、そして複雑化、高度化する市民ニーズへの対応など、かつてないほどの政策課題が山積しています。一方で、市民の暮らしやすさや公共サービスの質の違いによって、自治体が評価、選別されるなど、まさに自治の真価が問われる時代であるともいえます。
こうした状況下で、自治体がキラリと輝き続けるためには、その地域の資源と特性を活かした都市政策を発展させていく必要があります。そこで私たちは、まちづくりにおける民主制のプロセス(市民参加)を活発にし、市民みずからの知恵と力で都市の魅力を創造・拡充するきっかけを作りたいと思いました。それとともに、公共サービスの提供側の職員と受益側の市民が協働して各種の制度や政策に提言するしくみを整えていきます。
これらの夢を現(うつつ)に、そして想いを像(かたち)にするため、私たちは、市民自治と都市政策を結合させようと考えます。市民のほか、事業者、学識経験者、専門家、NPOなどの衆知を集め、まちづくりや政策分野において各種の提言ができる公民協働ネットワークの構築を目的として、ここに研究所を立ち上げました。
現代行政研究所
代表 沼田 良