第一回(2018/7) 大阪中之島公会堂


 ある日の夕刻、復路の新幹線に乗ろうとして新大阪のホームに来ました。27番線で東京寄りの先頭でした。壁には何枚かの巨大な写真パネルが掲げられています。その一枚で、由緒のありそうな古い洋館の写真が目にとまりました。説明文には「大阪中之島公会堂」とあります。思わず引き込まれました。直前に講義でふれたばかりだったからです。

 戦後1950年に日本行政学会が設立されました。設立の目的は「内外の行政に関する研究及びその研究者相互の協力促進し、あわせて外国の学会との連絡及び協力を図ること」でした(規約三条)。初代理事長は東大教授の蝋山政道、事務局も東大の辻研究室でした。設立総会の場所と会場については、バランス感覚で大人の配慮をして西に譲ったのです。それが、この大阪中之島公会堂だったわけです。いわば日本行政学の発祥の聖地とさえ言って良いでしょう。関西の学生ならば、このことを決して忘れてはならない、と講義で伝えたばかりでした。落ち着いたら訪れようと思っています。(続く)