第二回(2018/8) Osaka Manner pt.1

 週3日の勤務日には、北摂の吹田市に寝起きして、徒歩で通勤しています。自分の部屋から大学までは15分程度で、ちょっとした散歩気分です。見知らぬ旧市街の街並みにも興味がありました。そしてある時、自分が東京での場合とは異なって、ほとんどストレスなく歩いていることに気付きました。

 ここに「大阪マナー」と呼びたいような、独特の生活様式 (Way of Life)があります。たとえばJR吹田駅から部屋までは、線路沿いの一本道を10分位歩きます。狭い歩道なのですれ違いが何度もあります。しかしわたしはほとんど横に移動していません。同じコースを向こうからやってくる対向者(!)が、ほぼ車線(?)を変えて道を譲ってくれるのです。

 これは老若男女を問わずに、必ずと言っていいほどの高い頻度です。多くの歩行者が、彼我の状況を瞬時に判断して、まず率先して自分が譲ろうとしているかのようです。まるで条件反射のような軽やかなマナーです。「江戸しぐさ」の本場とされる東京では、ついぞ経験したこともありません。恐らく大阪特有の暮らし方の反映なのでしょうか。(続く)

現代行政研究所

-Modern Administrative Research Institute-