第三回(2018/9) Osaka Manner pt.2
エスカレーターの乗り方も独特です。大阪では人々は向かって右側に立ちます。新幹線が発着する新大阪駅でも、アジアなどからの外国人や東京人が多いにもかかわらず、乗降客たちはほぼこの右側ルールに従って立っています。
しかし同じ関西圏といっても、奈良や京都では様相が異なります。かの地の人々は左側に立つのです。関東圏はもとより、ほとんどの日本各地は左側ルールでしょう。ちなみに京都は、当初の右からいつの間にか左に変わったともいわれています。観光地ゆえの柔軟性でしょうか。
右側ルールについては、1970年に大阪府で開催された日本万国博覧会に一因があるともいわれます。ニューヨーク、ロンドン、パリなどの世界都市はいずれも右側通行です。万博の開催時に海外からの来場者にあわせて、大阪は国際ルールによる「世界の交差点」になったのでしょう。
そして半世紀後の今も、それを引き継いでいるようです。現に万博会場の吹田市でも右側です。他者を尊重し大方のルールに自らをあわせ、そのことによって逆に自分たちの街に馴染んでもらうという手法でしょうか。東京が2020のオモテナシに向けて偉大な片田舎へと猛進するのに対して、したたかな性根を大阪に感じます。(この項続く)
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