第九回(2019/03)住みやすい国際都市、堂々の3位

 住みやすい都市の国際番付で、第3位はどこか。答えは大阪だ。イギリスの雑誌『エコノミスト(The Economist)』が昨年夏、2018年版の世界で最も住みやすい都市ランキング “The city ranked as the most liveable in the world” を発表した。そこで3位に大阪が、僅差で7位に東京がそれぞれランクインしている。

 これは、同誌インテリジェンス・ユニットが毎年行う可住調査(The EIU's Global Liveability Ranking)である。世界の140市について、安定度(stability)、健康医療(healthcare)、文化・環境(culture and environment)、教育(education)、インフラ(infrastructure)という5項目で、都市生活の質(urban quality of life)を総合評価して順位を付ける。

 大阪は公共交通の品質や利便性が向上したほか、犯罪発生率の減少によって得点が伸びたという。わずか5項目という調査手法のあらさや、治安や教育の分野などで異論があるかもしれない。ただし大阪は比較的評価を得やすいだろう。規模がコンパクトで、東京ほど道路や交通機関が混雑していない。機能は大差ないのに、実感として東京より暮らしやすい面が多いようだ。

 ちなみにウィーンが、安定度での高得点によって初めて首位に躍り出た。写真は同市のシェーンブルン宮殿(The Schönbrunn castle)である。7年続けてトップだったメルボルンは2位に後退。圏外からシドニーが5位に、コペンハーゲンが9位に選ばれた。また、住みにくさのワーストワンは、戦争で荒廃するシリアのダマスカスであった。

 ベストテンは次のとおり。 順位(前年順位) 都市名(国名) 得点

1位(2位)ウィーン(オーストリア) 99.1点

2位(1位)メルボルン(オーストラリア) 98.4点

3位(-)大阪(日本) 97.7点

4位(5位)カルガリー(カナダ) 97.5点

5位(-)シドニー(オーストラリア) 97.4点

6位(3位)バンクーバー(カナダ) 97.3点

7位(4位)トロント(カナダ) 97.2点

7位(-)東京(日本) 97.2点

9位(-)コペンハーゲン(デンマーク) 96.8点

10位(5位)アデレード(オーストラリア) 96.6点